これまでの訪問看護師の常識として、3~5年程度は病院に勤務し勉強する必要があると言われていました。
しかし、近年は病院に勤務した経験がない新卒の状態で訪問看護師になりたいという方も増えてきています。
そこで今回は、新卒でも訪問看護師になれるのかを考えていこうと思います。
訪問看護師って平均何歳?
実際に現在訪問看護師として働いている方の平均年齢は40代が最も多くなっています。
元々は病棟で看護師として働いていた人が、結婚や妊娠・子どもの成長による環境の変化を機に夜勤がなく休みの融通を利かせることができるという点で訪問看護師を選ぶという方が多くいるようです。
そのため、訪問看護師の39%が40代となっており、30代は19%、20代は4%なので、若くなればなるほどその割合が少なくなっており、まだまだ若い訪問看護師は少ないというのが現状です。
新卒でも訪問看護師になれる?
最近では若い方でも訪問看護師を希望する方が増えているので、新卒から訪問看護師としての経験を積んで自分の力を試したりスキルを積んでいきたいと考える人もいるようです。
これまでの常識でいうと、訪問看護師は看護経験を多く積んだ人がなるというイメージが強くあるので、新卒から訪問看護師になる方もあまりいませんでしたが、最近は新卒の看護師も採用する事業者が増えてきているようです。
新卒でも訪問看護師の採用が増えている理由
訪問看護師の人数が足りていない現状
現在はどんどん高齢化社会となってきており、訪問看護を求める人が増えてきています。
そのため、どこの事業者も訪問看護師として働いてくれる人を求めています。
新卒でも看護師の免許を持っている人であれば、訪問看護師として利用者さんを任せられるまで育てて、活躍してほしいと思う事業所も増えてきているようです。
最近は「経験年数は問いません」「新卒積極採用」と求人情報に書いているところも増えているので、新卒からでも訪問看護師になりやすい状況になっていると言えるでしょう。
環境に馴染みやすい人材を求めている
看護師の経験が豊富にある方でも、病棟での看護と訪問看護の内容は異なるので、訪問看護師として活躍できない場合もあるようです。
特にバリバリ病棟で働いてきて自分の看護に自信を持っている方の場合、臨機応変にいろいろなことに対応しなければいけなかったり、利用者の希望に合わせて看護を行っていかなければいけない訪問看護の環境にはあまり馴染めないという方もいるようです。
新卒の方の場合、これまでの固定概念が一切ないので、新しい環境に馴染んで仕事がしやすく、より活躍できる人材となる可能性があるため、積極的に採用したいという事業所も増えています。
体力がある若い人材が必要
訪問看護師の仕事は、体力勝負です。
夜勤などの業務はあまりないので働きやすいと感じている人も多いようですが、訪問看護師は利用者さんの家を行き来する必要がありますし、オンコールなどの突然の呼び出しにも応じなければいけないので、かなり体力を要する業務が多くあります。
そのため、体力のある若手の存在もとても重要とされています。
経験以上に人格を重視
訪問看護を依頼する利用者さんは、急な治療を求めている人ではなく、自宅で自分の生活を送りながら介護を受けたいという方や緩和ケアを希望されている方が多くなっています。
そのため、医療的な処置はもちろんですが、それ以上に利用者さんの生活のサポート、メンタルや体調のケアが重要となります。
このような業務をメインに行う場合、看護師としての経験はもちろんですが、それ以上に相手のことを思いやって丁寧な対応ができる人間力の方が重視されています。
人格重視での採用を行う事業所が多いため、経験値の浅い新卒の看護師でも採用されることが多くなっています。
病院と連携して教育プログラムを行うところも
新卒の看護師の場合、やはり経験不足は否めません。
そのため、採用した後に病院と連携して研修プログラムを用意しており、基本的に必要となる看護技術を学ぶ時間を用意しているところもあるようです。
新卒から訪問看護師になりたいと思っている方は研修制度を用意しているところを選べば、訪問看護師としても活躍できますし、その後看護師に転職したいと思った場合でも問題ないでしょう。
まとめ
いかがでしたか?訪問看護師は元々経験のある看護師しかつけない仕事と言われていましたが、最近は新卒でも採用する人が増えてきています。
訪問看護師は需要が高まってきていますが、まだなかなか人材が間に合っていない状況なので、訪問看護師になればより責任感のある仕事を任せてもらえることも多いでしょう。
新卒から訪問看護師になる場合は研修制度が充実している事業所を選べば安心です。
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